有限会社 寶屋遊亀に ズームイン!

和菓子一筋64年。
今でも失敗しながら納得の味を追求

箕浦 孝次(みのうら たかつぐ)さん
  • 勤務年数 :菓子職人歴64年目
  • 担当業務 :菓子職人

1日のタイムスケジュール

企業POINT

有限会社 寶屋遊亀は、昭和3年3月3日創業の老舗和菓子店です。親子3代にわたって店を継ぎ、2019年には創業91年を迎えました。「社会生活に貢献する・人様の命に貢献する」をモットーに、伝統的な和菓子だけでなく、時代に合わせた多様なお菓子を製造・販売しています。

どうしてこの仕事を始めたのですか?

本当は機械の仕事がしたくて、中学は工業系の学校に通いました。でもある日、先生に職員室に呼び出され「家を継いだらどうや」と言われました。
どうやら父親が先生にお願いしていたみたいです。3人きょうだいでしたが、男は自分一人だったので、「いつかは家を継がないといけない」と思っていました。
先生の言葉で踏ん切りがついて修業に行き、菓子職人になりました。

つくるのが難しいお菓子は何ですか?

上生菓子が一番苦労します。昔の職人さんは、つくり方を教えてくれないので、洗い物をしながら先輩がつくっているのを横目でジーっと見て、技を盗むしか方法がありませんでした。
今は、きちんと教えてくれる職人さんばかりだと思いますけどね。あんこを包むのも簡単そうに見えて結構難しくて。昔は夜にお酒を飲む「おちょこ」をくるくる回して、包みの練習をしましたね。

大きな失敗をしたことはありますか?

16歳から修業して、菓子職人になって64年になりますが、今でも配合を間違えることはあります。機械でつくるお菓子の配合をミスすると、大量のお菓子が即廃棄処分になったりします。
もったいないですが、それを売ると今まで積み上げてきた信用を一瞬で失いますから、仕方がないですよね。やっぱり人間のすることですので、年に1回や2回は失敗があります。

おすすめのお菓子はありますか?

カステラです。つくっていて一番楽しいし、最も得意なお菓子でもあります。お客様にも好評ですが、それで満足してはいけません。カステラは、上手につくるのが難しいお菓子です。
火が十分入っていないと真ん中がくぼむし、逆に入れすぎると焼きすぎになる…。火の入り具合は、上の方をポンポン叩いて確認します。長年の経験で、生地の跳ね返り方で火の入り具合が分かります。

ライター:インターン生・西村

卸売業,小売業 > 食品製造販売業

有限会社 寶屋遊亀

縁と感謝を大切に時代に合う和菓子づくりへの挑戦

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